現在の口径は41φ。
これを43φに拡大します。
今回の依頼主は車ではなくホンダのX4というリッターバイクの方でした。
いくら排気量が大きいといっても43φまで必要なのかなーと思いながらお話を聞くとドラッグに出ているそうで、現在のベストタイムはなんと10秒01とのこと!
激速!バイク恐るべし!!
何としても9秒台に入れたいとのことで今回の大径加工となったのです。納得…。
まずはいつもの手順でベースとなるキャブの分解、点検、洗浄。
チェックポイントその1。
ジェットニードル全体の磨耗・段付き以外にクリップとクリップ溝のガタも点検します。
ポイントその2。
浮動バルブのヒビ割れも要注意です。
表面のコーティングが剥がれてきたら交換を考えてください。
ポイントその3。
キャブレターボディ内部、スロットルバルブのローラーが当たっているところの磨耗をチェックします。
溝が出来ていたらSSWORKSのワイド樹脂ローラーという良いパーツが…。(宣伝)
キャブレターボディから全ての部品を取り外して洗浄液に漬け込みます。
キレイに洗浄したらいよいよ旋盤で拡大加工です。
マウントアダプターやエアファンネルもキャブと合わせて拡大加工しています。
面白いデザインのファンネルがついていました。
加工前の41φのボディと並べると違いがよくわかります。
加工が終った部品を再度よく洗浄して元通りに組立て直せば完成です。
納品後、しばらくしてからお客さまが件のバイクでご来店!
ロングスイングアームで低車高のスタイルは完全にドラッグレーサー。
これで街乗りもしてるのがすごいです。
かなりクセのあるバイクになっているらしく、「普通の人がいきなり乗ってもカーブは曲がれない」と言ってました。
43φFCRを装着してから一度走ったらしいのですが、かなりセッティングがずれて手持ちのジェットでは対応しきれずタイム更新はならず。
それでも高回転でのパンチ力はかなりアップしているとのことで手ごたえは十分とのこと。
9秒台で走るところを一度見に行きたいと思うバイクでした。