これも変わった作業内容で…。
全部で3ヶ所あるマウントのうち、ミッションケース下部とメンバーをつないでいるボルトが外れています。
つまりエンジンは固定されておらずブラブラの状態。走行するとガコガコと異音が出ていました。
ボルトが外れた原因はこれ。
何か衝撃が加わったのか、ミッションケースのねじ部が破損して欠けていました。
とりあえず修理後に新品交換する部品を揃えておきました。
もともと付いていた部品を再使用することもできそうでしたが、変形してしまっていることも考えられたので、念のため。
さて問題はこのケースの修理です。
破損部を溶接で肉盛りして雌ネジを立て直して…とやるには欠損部が大きすぎます。
少し考えて、アルミの丸棒から雌ネジを切ったアダプターを作り、それを溶接する方法でいくことにしました。
丸棒を旋盤で削り、中に雌ネジを切ります。
出来上がったものがこれ。
次にミッションケース側を削り、作った部品がピッタリ収まるように形を整えます。
アダプターをボルトで固定し、溶接準備はOKです。
低温でも溶け込みの良いタイプの溶接棒を使用し、溶接完了。
マウントを固定するボルトは純正ではなく、少し長めの高強度タイプに変えました。
欠損部に残っていた穴に更に深く雌ネジを切って、そこまでボルトを入れるためです。
新しいマウントロッドとブラケットを取り付けして作業終了です。
これで強度的にもバッチリの修理になりました。
最近の車はジャッキアップポイントが奥まっていることが多いので、もしかするとこの車もミッションケースにジャッキをかけたのが破損の原因だったのかもしれません。
気をつけたいですね。