整備箇所はハブベアリングとマフラーゴムの交換。
フロントはタイヤを手で揺するとガタがはっきりわかるくらいでした。
リヤは走るとゴロゴロと音が出ている状態です。
フロントハブはFC3Sの弱点で、純正のアルミハブがガタの出る原因と言われています。
ベアリングレースが軟らかいアルミ素材に陥没してガタが出ているので、ベアリングの調整などでは直らないのです。
現在は純正ハブも非常に高くなっているので、社外のスチール製ハブを使用しました。
今回はKSPエンジニアリングさんの製品をチョイス。
この製品はベアリングやオイルシールも全てセットになっているので簡単に交換できます。
ただハブグリスはベアリング部のみに塗られている状態だったので、追加でグリスを補充しました。
ハブキャップにもたっぷりとグリスを入れておきます。
このベアリンググリスの量不足が原因で潤滑不良となり早期にガタが出たり、焼き付きという最悪の事態が起こることもありますよ。
ハブをスピンドルにセットしたら最後にスピンドルナットの締め付け調整です。
このナットの締め具合は強すぎても弱すぎてもダメなので経験が必要なところです。
今回のようにベアリングが新品の時はしばらく走行して馴染みがでたあとで再調整するのがおすすめ。
次にリヤのハブベアリングの交換です。
まずはリヤナックルを外すところから。
ハブを抜き取ってみるとゴロゴロ音の原因はオイルシール劣化によりベアリングに水が入ったことでした。
プレス機でハブに残ったレースを取り外します。
錆びたハブの表面はワイヤーブラシできれいにします。
ここが凸凹のままブレーキローターをかぶせて走っているとジャダー発生の原因になりますよ。
リヤはハブを再使用するので、ベアリング圧入部の荒れをペーパーでならしておきます。
リヤナックルはアルミ製で非常に軽くできているのはいいのですが、アルミはカジりやすいので新しいベアリングを入れるときに注意が必要です。
特に入れ始めが一番カジりやすいので、銅ハンマーなどで平行に入っているかをよく確かめながら5mmほど入れ、その後プレス機で圧入します。
ハブを入れる前にはサークリップを忘れずに。
サークリップにも表と裏があるので注意します。
足回りのオイルシールには耐水性のグリスがおすすめです。
最後にハブを圧入して交換は終了です。
マフラーゴムは純正新品に交換。
FCの純正マフラーはかなり重いのでマフラーゴムの寿命も他社に比べて短いようです。
今回久しぶりにFCをじっくり眺めてみると、当時相当な気合を入れて作った車なんだな〜と思いました。
足回りの各パーツやサスペンションのレイアウトなどに開発・設計者の意気込みが感じられます。
こういう価値ある車はいいコンディションを保って長く楽しんでいってほしいです。